今回は自分の考えをつらつら綴る回。
写真は一切ありませんがよろしければどうぞ。
初めてのお客様を担当するときって、前回のカットは別の美容師さんがカットしてるわけですが、
最初にお客さんの髪の状態をチェックするわけですね。
正直なことを言いますと、
『このカットはやばいだろ。。。』とか、
『なんでこんなにスカスカなのー!?』
っていうパターンも実はたびたび見られます。
でも僕の場合はお客さんには“ほとんど”伝えません。
だって1、2か月その髪型で過ごしてたわけですから、
自分の体の一部である髪の毛を否定された気分になり不快になる人もいますしね。
たぶん伝える美容師もいると思いますが、考え方って人それぞれなので正義の押し売りっぽいのかなって思っちゃいます。
だって、もしかしたら前回切ったその髪型がお客さんのオーダー通りだったかもしれないし、
そもそも他の美容師のことをとやかく言う資格もないからなんですけどね。
もう日本に50万人も美容師がいるってことは、美容師からしても、好きなスタイルも切り方もおすすめするスタイルもたぶんバラバラです。
さらにお客さんの意見を尊重する美容師か自分の得意なスタイルをオススメする美容師かでもタイプが全然違います。
あとは男女とか世代とか理論派か感覚派かとかタイプで分けようと思ったらキリがありません。
技術やセンスの元を辿ると、ほとんどの美容師の技術っていうのは最初に入ったお店の技術がベースになるんです。
学校ではなく、お店で技術を学ぶので。
(今でこそ、オンラインでいろんなことを学べますけどね。)
大型店とかだとその店の流派(マニュアル)みたいなのがあって、A店は〇〇派、B店は△△派みたいなのがなんとなくあるんです。
だから同じスタイルを作るにしても切り方が違ったり、よく言われる『似合わせ』みたいな考えもお店によって考え方が違うんです。
もちろん店や流派だけでなく、美容師の個人間同士でも、
Aの髪型の方が絶対かわいい!!って言う人と、
Bの髪型の方が絶対かわいい!!って言う人がいたとしても結局正解はないわけで。
だから同じお店で同じマニュアルで育った人同士でも、同じ髪型をオーダーされても仕上がりは多少違います、個人の考え好みが出てくるので。
お店の撮影でも店長同士が「こっちのほうがいい!」って言い争うくらいそれぞれの“素敵”と思うものは違います。
美容師どうしでも髪型に正解はないんです。
ただ、美容室での仕上がりの正解はあると思います。
“お客様が気にいるか”どうか。
仮にカットした美容師も含めて同僚の美容師全員も「めっちゃ素敵な髪型切ってる!」って思ったとしても、お客様本人が気に入らなければ、残念ながら不正解だと思います。
(正直に言います!)
美容師からして(ちょっとこの髪型はやめた方がいいんでない??)っていう髪型をオーダーされ、他の髪型を勧めたけども本人の決意は変わらずそのままGoして、
で、髪型が完成したはいいものの「この髪型は、、、やっぱり似合ってない。。。言い方を変えれば個性的!?・・・??」と思っても、お客様本人が「今回の髪型いいわー!」ってなったらまあ、正解なんだと思います。
実際のサロンワークは、そんな感じで担当美容師の意思と反する場合も時にはあるもんなんです。
んで、話は戻り・・・、
はじめての来店のお客さんの髪を見ると、
僕の考え的に
(これは僕だけじゃなく、ほとんどの美容師が見てもまずいよね。。。)
って方が一定数いらっしゃるんです。
もちろんそんなに多いわけじゃないけど、
・ボブなのに表面近くから削がれてる
・明らかに削がれすぎてスカスカ、パサパサしてる
・ショートなのに襟足が重くて、表面だけが軽くなってる
みたいな。
(これはどういう意図でこうなったのかな??)って時がちょくちょくあるんですが、
サロンワークで作るスタイルはお客さんの意思があってのことなので全てが美容師判断ではありません。
だから、切られたスタイルが美容師の技量なのか、お客さん判断だったのかを見極める必要がありますね。
(明らかに美容師の技量がまずい時もあるが・・・。)
例えば、山田的考えでは削がれすぎてしまってる人が
「軽くされすぎちゃってー」と、言ってくれる方は同じ考えなので僕が指名されてる意味があって、
逆に、
「前回は結構軽くしてもらっていい感じだったんで、今回も結構軽くしてほしいです!」
って方は、
(この軽すぎる感じで前回いい感じだったんだ。。。もう、結構パサパサしてるのに、さらに軽さを求めるのか。。。)
と、お客さんの好みを把握するのに数回は時間が必要です。
(美容師の中では作るヘアスタイル長さと髪の量(重さ)はセットでスタイルに合わせた量を提案してるんだけど、お客さんの中では長さと量は別なので「もっと軽くして欲しい!」と言われることは全然珍しいことではないですね!)
スタイルに正解はないしお客さんが求めるものが正解と言いつつ、自分の中では正解があるので、その正解から離れてていくということに葛藤を感じでしまうので、
でも元々の“いい!と思うもの”が近いというのが美容師との相性なのかなと思いつつも、
自分が切った後は
- 扱いやすい
- 褒められる
- もちがいい
など、どんな人が来ても山田が担当する意味を見出せるような美容師でありたいと常に思っています。
まとめます。
今までも(たぶんこれからも)お客さんの意見を尊重してカットやカラーなどの施術をしているわけですが、髪のプロとして期待以上のものを提供していきたい。
言われた通りやっているようでは、誰が担当しても価値が見出せませんからね。
決していらない調味料を加えるのではなく、クオリティを上げるということ。
髪、美容の知識がお客さんよりあるのが当たり前でそれを言って伝える、創って伝えることで、「やっぱり細かく意見を言うよりざっくりおまかせの方がいい感じに仕上がるよね!」という価値を感じてもらうことがこれから長い美容師人生にさらに必要になって来るのかなと思ってます。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
ではまた!