知ってます?工場の祭典(こうばのさいてん)って。
コロナの関係で今年は4年ぶり開催みたいですが、おそらくそれまでは毎年開催していたような。
三条とか燕あたりの工場が、見学のために解放するイベント。
工場によってはワークショップなんかもあったりして、作ってるものをより身近に感じれるイベントですね。
物を買う時って、出来上がっている商品にお金を払うだけだけど、工場の見学をすることで、そのものが大量生産なのか、一つ一つ手作業で作られているのかとか、生産者の声を聞くことでテーブル、イス一つとっても愛着が変わってきます。
と言いつつも、大量生産できる工場かあるからこそ、世の中に安価でそのものが出回っているのでそれはそれでお財布には大変助かってはいます。
人それぞれどこに価値を感じるか、というところですな。
んで、僕がさっそく向かった工場は、イシモクさん。
9時から工場見学OKだったところ10時前くらいについて、2番の来場者でした。
おそらく土日はもっと混むでしょう。
ここは3000円でミニスツールのワークショップが予約制で、できるようです!
この後行ったショールームでは通常のスツールが3万くらいで売っていたので、やればよかったと後悔しています(笑)
感じのよい女性のスタッフさんが案内してくれました。
写真にはうつってませんが、木のスピーカーや木のサウナマットとかも作っているみたいで、面白いところに目をつけたなー、という感じです。イシモクさんはまな板とか米びつとかが有名みたいです!
木(桐)の特性を生かしたアイテム。安くはないですが、やはり話を聞くと欲しくなる。
やっぱ、木の温もりっていいよなー、と改めて感じた見学でした。
あ、ここでは端材を売ってるみたいなので(普段もやってるかは不明)DIYする人はどうぞ。(ショールームにもありました。)
買いにきているおばちゃんもいましたね。
次はSUWADAに向かいます。
あの爪切りで有名な。
っていうかここは普段から工場見学OKみたいなので、今日行かなくていいかと思いつつも、せっかく近くまで来たので初SUWADA。
もうここは世界観がすごい。
オープンファクトリーはこんな感じ。
圧巻でした!
爪切りって100均でも売ってるじゃないですか。
それをニッパーみたいな形にして細部までこだわり抜いて2万円以上の値段で売るってすごくないっすか??
SUWADAの爪切りは爪が飛ばないって言いますもんね。
それもすべて繊細な仕事のおかげ。それも手作業。すごいぞ、SUWADA!!
そんなSUWADAブランドに触れれたいい機会でした。
その後はドライブスルーのマックを食べて、燕三条の地場産センターに作られてる物を改めてチェック。
着いてから知りましたが、この工場の祭典はここが主催でした。なるほど。
ここでは他にも“ものづくりメッセ”なるイベントが開催されていて、会社のブースがずらーっと並んでいて、職人や営業の人が名刺交換してたりして、「B to Bビジネスのやりとりはこういうところで始まるんですね!」と感じました。企業間のマッチング。
僕は中に入ったはいいものの、名刺を一枚も交換することなく、そそくさと退散。
そして今日、最後の工場見学は、朝倉家具さん。
桐や栗、ブナの木などの無垢の木を使って家具を作っているそう。そのほとんどが国産。
“木”といっても種類によって適してる家具などがあるらしいのです。
柔らかいから加工に向いてるとか、硬いからソファの足とか家の柱とか。
知れば知るほど、深い。DIYするときは値段だけで決めてた。なんなら集成材ばっかり。無垢は特徴を活かせますもんね!
最初の説明で、ここ数年で、木の値段が3倍になったということも聞き、ざわついた。
どの業界も値上げで苦しんでる。
桐ダンスや弁当箱、ランチョンマットを作っているところを見学させてもらったがどれも繊細な手作業で時間のかかる仕事というのは見てるだけも容易にわかります。
と言いつつも、全て同じに作るわけでもなく、きれいに見せるための仕事をすることもあれば、敢えて無骨に仕上げてワイルドなテーブルにしていたり。
その感覚が好みが分かれるところだったり、職人にしかわからない感覚なのかも知れない。
“手入れが楽”ということだけに着目すると、デザインとしてはつまらなくなるけど、インテリアとしてデザインも楽しむとなると、皮を残したままコーティングしたり、段差をつけたり斬新なデザインになってたり。
そこは髪と一緒ですね。手入れの楽さを取るとつまらない。デザインが突出しすぎると手入れが大変だし、周りから理解されない。
そのせめぎ合いが難しいけど楽しいところなんだろう、きっと。
木も特徴を活かして、唯一無二のものを作り上げる。
こちらの工場の方も、言われなきゃわからないところまでこだわりをもってものづくりをしていた。
素晴らしい仕事。
まとめ
ふだん使っているすべてのものは作り方によって価値が変わります。
素材によって価値が変わります。
皿一枚にしても、紙なのかプラスチックなのか陶器なのか鉄なのか木なのか。機械で大量生産なのか、手作りで数に限界があるのか。一枚の木なのか、集成材なのか。
「皿なんて食べ物が乗っけられればなんでもいいわ。」
って人には高価な木の皿に価値を感じることはないでしょうが、
「見た目も料理のうちだからお皿は重要!パンに合う皿が欲しい。高くてもいい!」
って人には高価なお皿も買う価値がありますよね。
もちろん、家具だけでなく、洋服や家電とかも同じ。
と考えると髪もそうだよなぁ、と。
1000円カットが世の中にある以上、5000円のカットが高いと言われる世の中ですが、中には「これだけ丁寧にやってくれて5000円は安いよ!」って言ってくれるお客さんもいる。
比べる対象をどこにするかで価値の感じ方も変わりますが、価値を発信するのも作り手の仕事。
今日は楽しむために行ったけど、いろいろ考えさせられる日になりました。
工場の祭典は10月29日まで。
行く価値ありです!