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髪の毛のダメージをドラクエで例えて説明していこう

髪の毛のダメージをドラクエで例えて説明していこう

まぁまぁ、多いオーダー。

「どれくらい切ったらダメージがなくなりますか??」

「私ってどれくらいダメージしてるんですか??」

という質問に、その“どれくらい”っていうのがなかなか答え方が難しい質問ですが、少しでもわかりやすく書いていきましょう!

髪の毛って知っているようで、実は専門知識がないと理解できないことばかりなので今回はみんな大好きドラゴンクエストで例えて書いていきます。

髪の毛の体力とダメージと回復

まずは設定。

【体力(HP)】

髪の毛の体力。ドラクエで言えばHPですね。

年齢などによりHPも様々ですが今日は700としましょう。

0になったら死です。もちろんザオリクは使えません。

髪の死は髪で言うと枝毛、断毛、ビビり毛(ごわごわ)ね。

【日々のダメージ(打撃によるダメージ)】

主に日々のダメージ。日常では摩擦ダメージですね!

市販のシャンプーのダメージ:2

サロンシャンプーのダメージ:1

ドライヤーのダメージ:2

髪が濡れたまま寝たときの摩擦ダメージ:10

コテ、アイロンのダメージ120℃から200℃:3〜15(温度が高いほどダメージ大)

【薬剤ダメージ(魔法によるダメージ)】

主に化学的ダメージですね!

髪を明るくするカラー。6トーンから12トーン:10~70(明るければ明るいほどダメージ大)

明るくなった髪を暗くするカラー:8

市販のカラー:60

パーマ:50から100(強さによりダメージも様々)

デジタルパーマ:100〜200

縮毛矯正:100~300

市販のストレート剤:150

ブリーチ:150~300

市販のブリーチ:300

カラーやパーマはやったあと、適切な処置をしないと1週間ほど守備力が下がります。摩擦ダメージが1.5倍。ルカナン的な感じ。

【季節のダメージ】

エアコンによる乾燥ダメージ:2

紫外線によるダメージ:5

海によるダメージ:20

【回復!?】

その他、世間的に髪の状態をよくすると言われてるものや、美容師が適切な処置をするとダメージを防げるもの。

お手軽コーティング系トリートメントの回復力:0〜10(回復というより鎧を来て防御力をあげたイメージ。)

高級内部補修トリートメントの回復力:80(ベホイミくらい。)

酸熱トリートメント:20〜−100(失敗のリスクあり。)

カラーやパーマのパウダートリートメント:薬剤ダメージを約1/2に軽減

日々、髪はダメージしている

上に書いたようにいいシャンプーを使おうが日々シャンプーしてドライヤーしたら摩擦でダメージしてるんです。

パーマもカラーもしてなくても根元は健康だけど毛先にかけてグラデーションでダメージしてる。

毎日サロンシャンプーを使って、ドライヤーでちゃんと乾かしても毎日3のダメージ!!

長い期間生えてるほど毛先ほどダメージしてます。

もともとHP700の人がスライムに攻撃されて3のダメージなんて大したことはないんです、が!!毎日のことなので233日で枝毛になります。

毎日アイロンしてる人なんて毎日7くらいのダメージなんで100日で枝毛やジリジリ毛に。

ひゃー!!

キレイに伸ばしたいなら定期的に美容室でダメージしたところは切り落としましょう!

定期的に数ミリ切るだけで全然違います。

髪が傷んでる人が縮毛矯正をお願いしたら美容師の反応が微妙だった

普段ドライヤーもろくにしない人は来店時すでに毛先のHPが100だったりする。

700あったHPが100なんてもう瀕死状態。ドラクエで言えばもう黄色い状態です。いよいよやばいです。

そこにお客さんから

「パーマかけてください。」

「HP少ないけどキラーマシンと戦ってください。」と同じです。

瀕死状態だからパーマで髪が死ぬ(ごわごわになる)可能性もあるし、なんとかかかったとしても、毎日のスライムくらいのダメージでも近日中に死んでしまう可能性もあるので、めっちゃダメージしている髪にパーマや縮毛矯正はやりたくはないんです。

「あ、パーマで傷むからトリートメントやろうかな!今回は安い方で。」

って人も

(いやいや、瀕死になってから鎧着ても意味ないぜ??やるなら高い方だけどそれでも回復は限られてるんだぜ。)

です。

ちなみに、縮毛矯正とパーマとブリーチの組み合わせは痛恨の一撃でほとんど一気に死に至ります。

んで、瀕死状態からの縮毛矯正をやるかやらないかですが、roomRoomとしては絶対やらないほうがいいし、やりたくない。

というのが半年前の話でしたが、現在はダメージレベルさえ正確に把握できればできるようになってきました。

高い薬剤や難易度が上がるので料金と時間は通常の2倍くらいかかりそうですが、その覚悟があればめちゃめちゃ本気出してやります。

こちらも簡単にはできないのでお客さん側も真剣にカウンセリング時の担当者からの質問にお答えください。

ラスボスと戦うときも仲間がそんなに強くなくても戦い方次第では倒せます。

ベホマ級の薬が開発さえてない現在、数種類のベホイミ級のトリートメントを使いまくります。

もちろんお客様の髪をごわごわにしたい美容師はいないので、トリートメントを何種類も使いたい!

でもその分料金は高くなるけれども、髪のきれいさをどこまで求めるかはお客さんの意見も大きく関係してきます。

「根元だけ家で染めました!」に対する美容師の正直な意見。

もうここまで読んでいただいた方はお気づきかと思いますが、美容師はダメージレベルを把握することが、カラー、パーマ、縮毛矯正を成功させるためのカギです。

だから自分の店でやった施術のダメージは把握できますが、他の美容室や家でやった薬のダメージは把握できません。

新しいダンジョンにいってどんな敵が出てくるかわからないくらいのリスクがあります。

普通は根元から毛先にかけてダメージが大きくなっているのが普通ですし、理想ですが家で根元のカラーをやったとなると根元のダメージの方が大きくなってしまい、よくないのです。

いきなり根元にだけ60のダメージはまあまあ重症です。

パッと見てムラになっていなくても絶対自分で塗ったらカラーなんてムラになっているので、色むらだけじゃなくて、ダメージのムラもできてしまっています。

美容室での施術もカラーも縮毛矯正も根元の方が強い薬を使うので、もし担当者が《ホームカラーをやった》ことを知らずに縮毛矯正をやったとなるとさらに根元は傷み、最悪の場合は断毛、つまり死に至ります。

もし奇跡的にムラになっていなくてもサロンカラーより傷むのでぜひやめていただきたい。 ってのが本音ですね。

美容師がダメージ履歴を把握するためチェックしていること・・・

髪のダメージを把握するためのカウンセリングでもあります。

現在のHPがどれくらいあって、どれくらいのダメージを食らうかで髪の健康状態が変わるわけですね!

日々のダメージ+薬剤ダメージ。

目安としては髪の伸びる早さは1か月1cm。

一年で12cmですね!

例えば28cmの髪の長さの人がいたとしましょう。

ってことは大体2年4か月前までのダメージ履歴が蓄積されているわけであります。

もちろん人それぞれ体力、ダメ―ジのしやすさは違うので、最終的には美容師の感覚が大事になってくるのですが、施術の履歴はかなり重要です。

ホントは縮毛矯正して大ダメージを受けているはずなのに、シリコンという鎧をまとっていてダメージが見えない時なんて多々ありますので。

そんな時の会話。

(例)

今日は縮毛矯正ですね。
前回かけたのはどれくらい前か覚えてます??

1年位前です。

くせの出具合から見てもそれくらいっぽいですね!
カラーはどれくらいのペースで染めますか??

カラーは大体2ヶ月くらいのペースです。

なるほど!
今は数字で言うと根元は7トーンくらいで毛先は11トーンくらいですけど、2年半以内でもっと明るくしてたとかあります??

2年前くらいまでブリーチしてました!

ってことは、
根元2cmは日々のダメージだけ、2cmより毛先はカラーのダメージがあって、12cmより先は縮毛矯正のダメージ、毛先8cmはブリーチのダメージも・・・。毛先はもうダメージさせられませんね・・・。根元のクセがきれいに伸びても毛先がダメージしてるから、全体的にきれいに見えないかもなぁ・・・。トリートメントしたいなぁ。

みたいなね。

美容師は常に髪の毛のダメージと戦っているのです。

まだ回数が少ないお客様は日々のお家でのダメージだったり、他店でやったカラーやストレートのダメージの履歴なので、お客様の記憶も重要になってきます。

最近はいろんな美容室難民が増えているので、それも美容師としてはダメージレベルを把握する難易度(リスク)が高いですね。。。

最後に

どうでしたか、ドラクエに例えた髪の毛の説明は。

少しでも髪の毛のことを理解してくれているほうが現実とのギャップが少なくなります。

いままでの常識では、

トリートメントでは髪の体力(HP)はあがらない、

ブリーチはめちゃめちゃ傷む、

縮毛矯正は傷むし髪が硬くなるというのが普通でした。

お客さんのオーダーでも

「ブリーチ毛なんでトリートメントで一回ダメージを回復させてから今度カラーしようと思って!」とか

「できるだけ傷まないブリーチでお願いします」とか

「シャキーンってならない縮毛矯正でお願いします」とかありましたけど、

僕たちももちろんそうしたいけど、

「髪のダメージはトリートメントでは回復しないのでカットしかないんですよ・・・。」

「ブリーチしたら髪は傷んじゃいますね…。」

「もうすでに硬くシャキーンってなってますね・・・。一度硬くなってしまった髪は柔らかくはならないのでアイロンで毛先を曲げるとか・・・。」

としか言えなかったんです。だって薬がなかったので。

要望もわかってるし、こちらもやりたいができない。

ただ時代は変わりつつあって、トリートメントも髪の体力を上げることができるようになったので、そのトリートメントをブリーチや縮毛矯正に混ぜることでいままでとは比べ物にならないくらいダメージレスになりました。(全くダメージしないわけではない。)

ただダメージレベルによって薬の調合が全く違うので簡単なことではありませんし、料金と時間はかかります。

こちらもラスボスと戦うときくらい覚悟して戦うので、「簡単に健康な髪になれるよ!」と言えないことをどうぞお客様もご理解いただければと思います。

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