美容師がメニューの名前だけ聞いても何のメニューかわからないのが【髪質改善】。
だからお客さんに
前言ってたお店で髪質改善やってたんですけど、それっていいんですか？？
って言われても、
なんの髪質改善やるかにもよりますねぇ。
と答えることしかできないんです。
今日はそんな話。
Content
髪質改善って何？？
ここ数年、突如登場した【髪質改善】。
実はこの髪質改善、定義はありません。
髪質がよくなるメニューであればなんでもありなのです、今のところ。
一般的には、
- くせ毛→ストレート、
- ダメージ大→ダメージ小
このどちらかをかなえられれば【髪質改善】と名乗ってよいという認識です。(山田の場合)
でもたぶん最初のころは低ダメージ縮毛矯正+高級トリートメントで、やわらかくしなやかでダメージを感じさせないサラサラストレートのことを指した言葉だったと思うんですけど、いつの日か
「クセが収まれば髪質改善っしょ？？」
「手触りよくなってるんだから髪質改善してるよね？？」
みたいな感じでじわじわ髪質改善の幅も広くなり、今ではお店判断でちょっとよくわかんない状態になっております。
なので《集客用の髪質改善》なのか、《髪を本気でよくするための髪質改善》なのかで、質と料金が全く変わってきます。
集客用の髪質改善は、低価格でよくなった風でプラシーボ効果の影響が大きく、
本気の髪質改善メニューは高価格で髪を芯からよくなるので効果をしばらく実感できる、
というイメージです。
ちなみにroomRoomでは上記のようにいろいろ誤解を生みやすいメニューなので【髪質改善】とは表記してませんが、リンゴ幹細胞トリートメント、リンゴ＆ミルボントリートメント、低ダメージストレート、酸性ストレートあたりは《髪を本気でよくするための髪質改善》としてメニュー化しても恥ずかしくないメニューとなっております。
「髪質改善やったら髪が傷んだ」って方もいらっしゃって、そんな方は下も読んでもらったほうがいいかもしれません。
髪質改善をざっくり解説してみる
一応、比較的よく聞く髪質改善メニューを書き出してみると、
- 縮毛矯正(ストレート)
- 酸熱トリートメント
- 微還元トリートメント
- 架橋型トリートメント
- 被膜型トリートメント
なんですが、美容師以外の人が聞いても『？？？？』だと思うので、勝手に解説していきましょう。
縮毛矯正(ストレートパーマ)
これわかりやすい、クセを伸ばすメニューですね。
今では、昔ながらの縮毛矯正も髪質改善の一部になっているお店もあります。
効果としてはくせ毛がストレートになることによって面が整うのでツヤが生まれます。
髪が傷んでるとクセが伸びてもツヤが出ないのでトリートメントをすることでかなり髪も扱いやすくなります。
縮毛矯正は扱ってる薬、美容師の判断、腕次第でかなり仕上がりに違いが出ますし、過去の施術履歴が髪に残っていると一回で直せない場合はほとんどです。
一度やると髪のダメージは残るのでパーマやブリーチにもかなり影響します。
ご利用は計画的に。
酸熱トリートメント
こちら3、4年前にピッカピカのツヤが出るトリートメントとして登場したんですよ。
くせも伸ばせて、髪質も柔らかくなってくせ毛の人におすすめ、みたいな感じで美容業界を震撼させたメニューで、こぞってメーカーが推してきてたんですよね。
「売上上げれますよ！！」って。
んで、メーカー呼んで使ってみたんですが、確かにツヤはでたんですけど、結局次の日とか別に・・・だったわけで。くせも伸びてなかったし。(パーマ剤入ってないんでクセが伸びるわけないんですけど。)
ということでうちではメニュー化しなかったわけです。
酸熱トリートメントを2か月に1回やってました。
って方が来店される時あるんですが、結構傷んでるんですよね。
僕は酸熱トリートメントやってる人で健康な髪の人を見たことないので、おすすめはしないですね。
そんな経緯があり、酸熱トリートメントをメニュー化する予定はないので、詳しくは調べてはいませんが、まあまあの確率で髪が傷むと思ってます。
最近では【失敗しない酸熱トリートメント】っていうスレッドが立つほど失敗例が多いメニュー。
というかSNS以外でまだ成功例を見たことないかも・・・。トリートメントなのに・・・。
微還元トリートメント
こちらも酸熱トリートメントの一部だったりします。
というか縮毛矯正ですね。
《還元剤》を微量いれます(微量じゃないけど)っていうことなんですけど、還元剤ってパーマ剤のことですからね。
パーマ剤いれて、熱で髪の形状変えれるメニューって・・・まさに縮毛矯正ですね！！
ダメージを懸念して縮毛矯正を避けている人がいるのに、それを
「クセが伸ばせるトリートメントがあるんですけど、やってみます？？」みたいな説明してたらちょっと問題ありですよね・・・。
美容師が正直に説明してお客さんが納得ならよいと思いますが、ネーミングだけ変えてお客さんにわからないように提案するのはよくないですね。
もちろんこちらも失敗された例をみたことはあります、弱めの縮毛矯正なんで。
こちらはクセが弱い人はよいと思いますが、クセ強めの方は縮毛矯正+架橋型トリートメントが一番効果的です。
架橋型トリートメント
カラーとかパーマとかすると髪が傷むわけなんですけど、それって髪の繊維が剥がれちゃってるんですよ。全然ケアしないと最終的にボロボロに。
この架橋型トリートメントっていうのは、髪の繊維同士をくっつけてくれるトリートメントですね。
抜け落ちてしまったタンパク質も補充できて、内部補修。髪の強度が上がるわけです。
え、トリートメントって全部内部補修してくれるんじゃないの？？
違います。サロントリートメントでも髪の表面しか作用してないものも多いのです。《それが下の被膜系トリートメント》
こちらは薬剤施術している方には全員おすすめ。リスクはありません、栄養が入るだけなんで。
おすすめです。
被膜系トリートメント
髪の表面をコーティングするトリートメント。
美容室のメニューで《クイックトリートメント》とかの表記で低価格だとその可能性が高いです。
絡まりは減ったりするので手入れはしやすくなるかもしれませんが、髪そのものが健康に近づくわけではありません。
リスクはありません(もしかしたらべた付く可能性はある)が、メリットも少ない気がします。
でも「手触りよくなってるんだから髪質改善されてるっしょ？？」と言われれば、まあそうなんですが・・・。
最後に
いろいろ書きましたが、最終的にはお客さん本人が気に入っていればいいのです。
髪質改善のメニューって結局何が一番いいんですか？？
って聞かれたら、
メニューとしていいとか悪いとかはないですけど、あなたにとっていいのは・・・。
みたいな流れになることが多いです。
んで、次来店されたときに実感できたか聞く。
僕自身はホントの良さを求めるタイプでして、今回のでいえば架橋型トリートメントがおすすめですが、お客さんにとっては「安いトリートメントと違いがわからんかった。」って人もいるでしょう。
世の中には「効果はよくわからんけど、料金高い酸熱トリートメントすすめて売上あげちゃえ。へへへ。」みたいな美容師もいるかもしれません。
そんなときに自分の意見があった方がよくないですか？？通うたびに髪が傷んでるメニューをしてしまってる可能性があるわけですから。
トリートメントだけでなく、美容室の仕上がり、メニューはお客さん自身が納得できるかどうかなのかなと思ってます。
美容師もお客さんも正直にいきましょう。
